Category Archives: 相続

連帯保証債務の相続

相続の際に気をつけなければならないもののうちのひとつに連帯保証債務の相続があります。

 

連帯保証債務の相続、つまり、連帯保証人の地位の相続です。

 

被相続人(=亡くなった人)が誰かの連帯保証人になっていた場合、相続人がその連帯保証人の地位を承継することになります。

 

連帯保証契約とは自分がお金を借りたわけではないのに、借りた人と同一の債務を負うといった契約です。借りた人がきちんと返済すれば問題はありませんが、きちんと返済しなければ連帯保証人が返済しなければなりません。

 

自己破産をする人達の中には、自分が借金をしたわけではないのに、他人の借金の連帯保証人になっていたことが原因で自己破産をせざるえなくなった人がたくさんいます。

 

日本では昔から連帯保証契約が多く、被相続人が親戚や友人の連帯保証人になっていることは珍しくありません。相続が発生した際には、被相続人自身の借金の確認だけでなく、誰かの連帯保証人になっていることはないかということまで確認しましょう。

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連れ子に相続権はない

配偶者が亡くなった場合、連れ子には相続権はありません。

 

山田家は、夫の太郎、妻の花子、長男の和樹、次男の良太の4人家族です。長男の和樹は妻とその前夫との子です。和樹は結婚し、家庭を持っており、太郎、花子と同居しています。良太も結婚していますが、別の町で暮らしています。

 

はじめに花子が亡くなりました。花子の財産は銀行預金のみであったため、太郎、和樹、良太の3人で法定相続分通りに分け合いました。

 

花子が亡くなった2年後、太郎も亡くなりました。太郎には財産として和樹家族と同居していた家と銀行預金がありました。そこで和樹と良太は相談し、家は和樹名義にし、銀行預金は良太が相続することとしました。

 

和樹が最寄りの司法書士事務所へ手続きの依頼に行ったところ、和樹は太郎の法定相続人ではないと言われました。和樹は太郎の子供同然に生活してきましたが、戸籍上親子になっていないため、法定相続人ではなかったのです。遺言書もなく、法定相続人は良太のみのため、家も銀行預金も良太がすべて相続するしかありませんでした。

 

このような場合、和樹が家を相続できるようにするためには、

 

①太郎と養子縁組をする

②太郎が、生前に家は和樹に遺贈するという内容の遺言書を作成する

 

このどちらかをしておく必要がありました。

 

なお、山田家の例で、良太が相続した家を和樹名義にするためには、良太から和樹に贈与をするか、売買契約を結び、和樹が良太から買い取る必要がありませす。贈与の場合には贈与税がかかりますし、買い取る場合は相場相当額で買い取らないと贈与とみなされる可能性があります。

 

後々の相続トラブルの防止や、無駄なお金がかからないようにするためにも、家族の中に連れ子がいる場合には生前の相続対策をしておくことをおすすめします。

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遺産分割協議で財産を相続しないことにしても相続放棄をしたことにはなりません

 

 

タイトルそのままですが、遺産分割協議で財産を相続しないことにしても相続放棄をしたことにはなりません。

 

例えば、父が亡くなり法定相続人が母と子2人の場合とします。

 

父が遺した財産は母と2人で住んでいた自宅と、少額の預金のみであったため、遺産分割協議により父の財産は全て母が相続することにしました。なお、父には300万円の借金もありました。

 

子2人としては、遺産分割協議によって財産を相続していないのだから借金も相続していないと思われるかもしれませんが、遺産分割協議にはプラスの財産の分け方を決めるという意味しかなく、債権者は遺産分割協議の内容に関わらず、法定相続人全員にその相続分に応じた債権の取り立てを行うことができます。

 

相続放棄とは家庭裁判所で手続きするもののみを言います。

 

自身が財産を全く相続しない内容の遺産分割協議書に署名捺印したからといって相続放棄したことにはならないので注意が必要です。

 

 

 

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相続登記に必要な被相続人の戸籍謄本が全て揃わない場合

前々回から引き続き、相続登記に必要な戸籍謄本についての話です。

 

前回および前々回に、相続登記をするためには被相続人の出生時から死亡時までの全ての期間の戸籍謄本が必要になると説明しましたが、古い戸籍謄本が廃棄または消失していて揃わない場合があります。

 

市町村役所での戸籍謄本の保管期間は現在は150年ですが、平成22年6月1日以前は保管期間は80年でした。したがって80年以上前に閉鎖された戸籍謄本は市町村によっては廃棄されていることがあります。(*一律廃棄されているわけではなく、廃棄状況は市町村によってバラバラですのでもっと古い戸籍謄本でも残っていることも多くあります。)

 

また、保管期間切れによる廃棄の他に戦災によって消失している場合もあります。

 

このような戸籍謄本が全て揃わないで相続登記をしようとする場合には、「他に相続人はいない旨」の相続人全員の上申書(相続人全員の印鑑証明書付き)と市町村役所の廃棄もしくは戦災により焼失した旨の証明書を添付することになります。

 

なお、被相続人の戸籍謄本は必ずしも出生からの分が必要なのではなく、おおむね10歳程度の時のものからがあれば上記の上申書がなくても相続登記ができます。戸籍謄本を全て添付する理由は他に相続人がいないかの確認なので、10歳未満だと子供はできないだろうというのがその理由です。

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被相続人の出生から死亡までの全ての期間の戸籍の集め方

前回の戸籍の種類の説明に続き今回は被相続人の出生から死亡までの全ての期間の戸籍の集め方について書きます。

 

例として母親が亡くなったため母親の戸籍を収集する場合について見ていきましょう。

 

1.まず初めに母親の本籍地の市町村役場で、「相続手続きに必要なので、出生から死亡までの全ての期間の戸籍がほしい」と伝えて戸籍謄本の請求をします。ここで全ての戸籍謄本が出てくればいいですが、ひとつの役場で戸籍謄本全てが揃うことは少ないです。

 

2.1で全ての戸籍謄本が揃わなかった場合、取れた戸籍謄本の中で一番古い戸籍謄本を確認します。そこに従前の本籍地の記載があります。母親が婚姻によって入籍してきた場合なら従前の本籍地の記載は母親の記載のある欄にあり、それ以外の場合(転籍、分家、家督相続等)は筆頭者または戸主の欄に従前の本籍地の記載があります。

 

3.2で確認した従前の本籍地へ戸籍を請求します。この時1で取った戸籍の一番古いもののコピーを添付して、「母親が添付の戸籍に移るまでの出生からの全ての期間の戸籍謄本」と伝えれば役所の担当者も分かりやすいと思います。

 

4.3で請求した戸籍謄本を確認して出生から全て揃っていればこれでOKですし、本籍地が他の場所にもあったなら同じ要領でその本籍地の市町村役場へ請求すればよいです。戸籍謄本が全て揃えば念のため自分達が知らない相続人がいないか戸籍謄本を全て確認します。今回は母親の相続なので、自分の知らない兄弟姉妹がいないかの確認です。万が一戸籍上に知らない兄弟姉妹がいた場合にはその人にも相続手続きに協力してもらう必要があります。

 

また、相続人となるべき人が既に亡くなっていた場合、例えば母親が亡くなり本来は息子2人が相続人となるはずだが、長男が既に亡くなっている場合、長男の出生から死亡までの全ての期間の戸籍謄本も収集しなければなりません。長男の戸籍謄本も全て必要な理由は長男の相続人を確認するためです。これは長男に相続人がいる場合でもいない場合でも同じです。

 

なお、戸籍謄本の請求は直接役所に行ってすることもできますし、郵送で請求することもできます。近くの場合は戸籍担当者にわからない点を質問できるので直接役所に行った方がよいと思いますが、遠方の場合は郵送請求になると思います。郵送で請求する場合は手数料を定額小為替というもので支払わなければなりません。定額小為替はゆうちょ銀行で簡単に購入できるのですが、券面1枚につき100円の手数料がかかってしまいます。その他郵送請求に方法は各市町村役場に確認して下さい。

 

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相続登記に必要な戸籍謄本

相続登記を司法書士に依頼されることなく、ご自身でされる場合に意外と大変なのが被相続人の戸籍謄本集めです。

 

相続登記をするためには被相続人の出生から死亡の時までの全ての期間の戸籍謄本が必要です。

全ての期間の戸籍謄本とは何?戸籍謄本はひとつではないのか?

と、思われる方も多くおられると思います。

 

戸籍は改製により何度か作りかえられていますし、結婚や養子縁組といった身分変動によっても戸籍は新しくなる(戸籍の編成や移動がされる)ため、被相続人の全ての期間の戸籍謄本となると一般的には4通以上になることが多いです。

 

では、ここで戸籍の改製とは何か?について説明していきます。

 

戸籍は大まかに3種類に分けることができます。厳密に言うと、戸籍の種類(形式)はもっとあるのですが、分かりやすくするために3種類とします。

 

まず1つ目は、コンピュータ入力された戸籍です。平成6年に戸籍の電算化(コンピュータ化)が始まり現在では多くの自治体で戸籍は手書きのものからコンピュータ入力されたものに書き換えがされています。この手書き戸籍からコンピュータ化戸籍への書き換えが直近の改製です。コンピュータ化された戸籍を見ると、「平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改製」との記載があります。ただ、平成6年に全国一斉にコンピュータ入力に変わったわけではなく、各自治体によってコンピュータ入力された時期は異なります。未だコンピュータ入力されておらず手書き戸籍のままの自治体もあります。

 

2つ目は、平成6年法務省令によりコンピュータ入力される前の手書きの戸籍です。この戸籍は夫婦を単位として夫婦とその子の記載がされています。子は結婚すれば配偶者とともに新しい戸籍を作成することになるので親の戸籍からは除籍されます。この戸籍は昭和22年の民法改正で家制度が廃止されたことに伴い昭和23年に新しい戸籍法が施行され、それによって改製されたもので実際の戸籍の改製は昭和32年以降にされています。大きな変更点は従来の家単位の戸籍から夫婦単位の戸籍となったことです。

 

3つ目は、昭和32年以降の改製前の家単位の戸籍です。この戸籍は戸主を中心とした家単位での記載であったため、ひとつの戸籍に記載されている人数が多いのが特徴です。家単位の戸籍は明治や大正で形式がいくつかありますがここではややこしくなるので説明を省きます。

 

以上が戸籍の種類の説明です。

簡単に説明すると、戸籍は①コンピュータ化されたもの②コンピュータ化前の夫婦単位の手書きのもの③手書きの家単位のもの、の3種類があります。

また、改製後の戸籍には改製前に除籍された人は記載されません。

したがって相続関係を把握し、相続人を確定させるために被相続人の出生から死亡までの全ての期間の戸籍謄本が必要となるのです。

 

次回は全ての期間の戸籍の集め方について説明します。

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