Category Archives: 不動産登記

未成年者と遺産分割協議

未成年者が相続人となっている場合、遺産分割協議は親権者が未成年者を代理してすることになります。

 

未成年者は財産に関する法律行為を行うことができないのです。

 

ただし、未成年者の親権者も未成年者と同時に相続人になる場合、例えば父親が若くして亡くなり相続人が配偶者と未成年の子供の場合、母親は自分も相続人となるので未成年の子供を代理して遺産分割協議をすることができません。

 

なぜならこのような場合に母親が子供の代理人になれるとすると、自分の有利なように遺産を分けてしまうことができてしますからです。これを利益相反と言います。

 

このような事態を防止するため、未成年者の親権者が未成年者と同時に相続人になる場合には、家庭裁判所に特別代理人の選任をしてもらう必要があり、特別代理人が未成年者の代理として母親と遺産分割協議をしなければなりません。

 

なお、相続人の国籍が外国籍の場合、成人に達したかどうかは相続人の国籍の国の法律によることになります。相続人が韓国籍の場合、韓国の成人年齢は19歳ですので、19歳に達していれば特別代理人を選任せずに相続人自身が遺産分割協議をすることができます。

 

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不動産の売主が認知症

認知症の方の親族から、その認知症(以降、Aさん)の方の介護費用に充てるためにAさん所有の不動産を売却したいという話がよくあります。Aさんの認知症の程度はかなり進んでいて、自分の意思を伝えるのは不可能な状況とのことです。

 

さて、そのような場合Aさんの親族がAさんの代理人となって不動産売却の手続きをすることができるのでしょうか?

 

正解は、親族であってもAさんの代理人として不動産を売却することはできません。

 

このような場合、家庭裁判所に成年後見人選任の申し立てをし、成年後見人を選任してもらうことになります。成年後見人が選任されれば、成年後見人がAさんの代理人となり、不動産売却の手続きをすることになります。不動産がもし居住用不動産の場合には、家庭裁判所に居住用不動産売却の許可を得ることも必要となります。

 

上記のような不動産売却の他にも、遺産分割協議をする場合に相続人の中に認知症によって判断能力がない人がいれば成年後見人をつけないと手続きをすることができません。

 

また、成年後見人が選任されると、本人がした法律行為は成年後見人が後から取り消すことができるため、高額な不要な商品を何度も買ってしまったり、訪問販売の被害で困っているという方のために、成年後見制度を利用することで、それらの被害から守ることができます。

 

成年後見人には親族がなる場合と司法書士や弁護士、社会保険労務士、社会福祉法人などの専門家がなる場合とがあります。資産が多かったり、親族がなると困難な問題が生じると予想される場合には、専門家が成年後見人として選ばれることになります。

 

なお、韓国籍の方も日本の家庭裁判所で成年後見人の選任をしてもらうことができます。

当事務所では韓国籍の方の成年後見人申し立ての相談、依頼もお受けしておりますのでお気軽にご相談下さい。

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カナダ人のサイン証明

勤務時代の話です。

 

提携の不動産会社さんから、「明後日決済の登記をお願いしたいのだが、売主さんがカナダ在住の方で今は契約のために日本に来ている。」という電話が入りました。

 

登記簿を見てみると登記簿上の住所は物件を購入した時の日本の住所になっており、住所変更登記も必要。したがって集めなければならない書類は現住所を証する書類とサイン証明書。

 

外国居住の方の住所証明書とサイン証明書をどこに発給してもらえばよいのかはその方の国籍によって変わってきます。例えば日本国籍の方の場合は、現地の日本領事館発給のものか現地の公証人発給のものどちらでも構いません。

 

さて、この時の売主さんの国籍はカナダでした。通常ならカナダの公証人発給の書類が必要です。しかし、本人はすでに来日しています。

 

では、どの機関に発給してもらえればよいのか?可能性があるとすれば日本の公証人か在日カナダ領事館。法務局に確認してもすぐには返答をもらえず、どんどん時間がなくなってきました。とりあえずどちらでも大丈夫なよう公証役場と在日カナダ領事館への確認も並行で進めました。ただ、在日カナダ領事館は電話しても担当者にはつながらず、留守電を残せば折り返し電話をもらえるというシステム。そうこうしている内に法務局から回答があり、 在日カナダ領事館発給の書類で大丈夫だろうとの返答でした。

 

幸い在日カナダ領事館からはすぐに連絡をもらえ、電話とメールで打ち合わせをし、ひな形を作成、翌日売主さんに同行して名古屋のカナダ領事館まで一緒に行き住所証明書とサイン証明書を取得し、無事登記が完了しました。

 

急な依頼で時間がない中、法務局や領事館の方々、売主さんの協力のもと当初の予定通り決済を実行し、登記も完了させることができました。今となっては良い経験でした。

 

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住所変更登記の必要性

不動産の登記簿(今は登記事項証明書と言いますが)を見たことがある人はご存じかもしれないですが、登記簿には所有者の住所と名前が記載されます。

 

では引越しをして役所へ住所変更の届出をした場合、登記簿の住所も自動的に変更されるのでしょうか?

 

残念ながら登記簿の住所は自動的には変わらず、登記簿の住所を変更しようとすれば住所変更登記という登記申請を法務局へしなければなりません。

 

そこでお客さんによく聞かれるのが、「住所が変わったら登記簿の住所も変更した方がよいか?」という質問です。

 

回答は、「不動産を売却したり、担保に入れてお金を借りたりといった予定がなければ特に住所の変更登記を急ぐ必要はありません。」です。

 

相続登記を放っておく場合と違い、住所変更登記を放っておいても関係者が増えるといったようなことはないので、いざ登記をしなければならない時期が来るまで住所変更登記はせずにそのままにしておいてもさほど問題はありません。

 

ちなみに住所変更登記の登録免許税(登記に必要な税金)は不動産1個につき1,000円です。

 

在日韓国人の相続・遺言・帰化申請は京都市右京区の、はな司法書士事務所まで。

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日本在住外国人の住所変更登記について

司法書士で不動産登記の仕事しているとよくするのが登記名義人住所変更登記です。

登記されている住所と現在の住所が違う場合に、登記簿の住所を現在の住所に変更する登記のことです。

不動産を売却する場合や、担保に入れてお金を借りる場合などはその前提として必ずしなければいけません。

 

この登記名義人住所変更登記をするには、住民票や戸籍の附票を添付して登記簿上の住所から現在の住所までの繋がりを証明します。登記名義人が日本人の場合ならこれらの書類を集めるだけですので、特に問題はありません。

 

では、登記名義人が日本在住の外国人の場合はどうでしょうか。

 

平成24年7月9日に外国人登録法が廃止され、日本に長期在留する外国人にも住民票が発行されることとなりました。そして作成された住民票には平成24年7月9日当時の住所が記載されました。

しかし、住所変更登記をするにあたって一番大事な箇所である前住所の記載がされなかったのです。

 

したがって、平成24年7月9日以前に登記簿上の住所から住所変更をしている外国人の住所変更登記をするには、住民票だけではできないのです。

この場合には法務省宛に外国人登録原票を請求する必要があります。この外国人登録原票は即日発行はされず、請求してから2週間程度時間を要します。なお、代理人請求はできず本人または法定代理人からの請求のみ可能です。

 

特に不動産売買の場合、この外国人登録原票の取得に時間がかかり決済日が延びてしまうこともあるため注意が必要です。

 

 

 

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